ITエンジニアになりたいけど自社開発や受託開発をやっている会社に就職できそうにない人
すでに客先常駐の会社(SES)で働いているけど何がヤバいのか知りたい人
以上の人向けに書いています。
以前私はITエンジニアとして客先常駐していた経験があります。
本記事を読めば何がヤバいのか?また一方で得られる経験やメリットについてもお話します。
客先常駐のヤバい理由
- やっていることは人売り
- 客先の環境のルールに従う必要があり肩身が狭い
- 自社のベテランの社員の教育がない
- 自社の上長が同じ現場にいないことが多いので評価のされようがない
- IT業界特有の多重請負構造でキツい割に給与が低い
- 常駐先がない場合は待機、給与減
- 常駐先は選べない
- 常駐先は選べず、急に契約解除の可能性も
- ずっと働けない場合が大半である
おおむね以上のような理由になります。
やっていることは人売り
呼び方は客先常駐やSESなどありますが、見方によっては人売りと変わらず割り切って出来ない人には苦痛だと思います。
客先の環境のルールに従う必要がある
また、客先に常駐するので行く先々の企業の会社の文化やルールに従う必要があります。
- 勤務場所、勤務時間
- 服装(私服、スーツ)
- 食事をする場所
- 建物内の行ける場所
- インターネット検索の利用範囲の制限
私は金融関連の客先へ常駐していた時が1番かたっ苦しくしんどかったです。
自社のベテランの社員の教育がない
個人的に1番ヤバいなと感じるのは自社の所謂ベテラン社員がいない場合で、自分の仕事ぶりのフィードバックがもらえないことです。
おそらく本記事を見ている方は経験が十分でないと思います。人が成長するには出来る人からのフィードバックを得て、やり直してというプロセスが必要だと思っています。
たまたま良い常駐先だと別会社の人同士でレビューなどする文化がある場合もありますが…
自社の上長が同じ現場にいないことが多いので評価のされようがない
また、多くの場合は上長がいないので直接仕事ぶりを評価してもらえず、給与にも跳ね返ってくることは難しいでしょう。
IT業界特有の多重請負構造でキツい割に給与が低い
IT業界特有の問題として多重請負構造があります。客先常駐するにあたり、直接お客様から元請けしていることは少ないと思います。2次受け3次受けと間に何社も入っている場合が多いと思います。
一般的には…
下に行くほど給与は低くなります。直接お客様と話してプロジェクトを進めるということも亡くなってきます。プログラミングを担当するのも下のレイヤーになります。
逆に上のほうは給与は高くなります。業務内容は顧客折衝や管理や設計などを担当します。
こちらの方がよく見えますが(実際良いのですが)こちらはこちらで苦悩はたくさんあります。
常駐先がない場合は待機、給与減
自分の保有スキルや景気が悪い時は常駐先がないということがあります。少し前だとリーマンショック時は企業がシステムにかける費用を抑える→仕事がなくなるということが多発していました。
そうなった場合、仕事がなくなるのです。リーマン・ショック時はリストラされた人が出たということも聞きます。会社としては売上が上がらず、人件費だけ発生する状況なのでそうなってくるのかなというところです。
常駐先は選べず、急に契約解除の可能性も
常駐先は基本的には選べないところが多いのではないでしょうか。もちろん保有スキルに依存するのですが、基本的に稼働していないことが許されないのでその時にある仕事にアサインされる形になります。
常駐しはじめてもプロジェクトによっては中途半端なところで契約解除になる場合もあります。
したがって自分の描くキャリアは作りにくくなります。
ずっと働けない場合が大半である
客先常駐する人は元請けからするとスキルよりも若いほうが好まれる傾向にあります。
- 素直で指示を出しやすい
- 新しい知識や技術の習得が早い
- 若いほうが単価が安目
- 体力がある
以上の理由からです。プロジェクトの難易度やどこの工程を担当かで、もちろん一概に言えないのですが経験年数が10年も20年もあってハイスキルなものが要求されるところばかりでもないです。
年齢を重ねていてオーバースペックの人よりも、若くてそれなりのスキルの人だと後者の人のほうが好まれます。
プロジェクトのマネージャーも最近は若い方が増えていますが、人によっては年齢が上の方が下につくとやりにくいという人もいます。
一般的に年齢が若い人のほうが素直に指示を聞いてくれスムーズに仕事がしやすいところもあると思います。
それと新しい技術の習得の早さは若い人のほうに分があります。
(ベテランでも長年の経験から要点を掴むことに長けている方もいらっしゃいますが…)
インターネット上の広告で
ITエンジニアは未経験からでも稼げます❗
などのようなものを見ると個人的には辟易します。
技術は一朝一夕で身につくものではないからです。
転職する前提で働きましょう。
先にヤバい理由を述べたとおりなので、転職前提で働きプライベートも資格取得のための勉強、他業種のリサーチ、プログラミングなどに時間を当てましょう。
ITエンジニアの道を選んだ時点でプライベートも何かしらスキルアップのために時間をあてる必要があります。
客先常駐メリット:未経験でもITスキルを身に着けながらお金をもらえるところ
IT業界から転職活動へてメーカーに転職して感じたことはIT業界ほど入りやすく、才能やタフさや頑張り次第で高い給与を狙えるところはないのではないかと感じています。
(ただ、先に挙げたとおりヤバい理由がたくさんあるので窓口が広くなっているのですが…)
プログラミングをはじめ、ITを使用した業務運用スキルはどこの企業でも使用されるスキルです。決して無駄にはなりません。
開発業務だけでなく、企業システムのインフラ周りの業務やソフトウェアサービスのカスタマー業務など色々あります。
運の良い常駐先やプロジェクトだと需要の高いスキルや顧客折衝などの経験など身につけられる場合があります。
どのような業界のプロジェクトの担当になるかで、身についていくスキルが違ってくるので運の要素が非常に大きいです。
可能な限りこういう仕事がしたいと周囲に言っておきましょう。
また常駐先でも受け身の姿勢でなく、こうすればもっと良くなるなど提案をしていけば仕事を作っていくことも出来ます。
経験やスキルが身についてITエンジニアが向いてそうなら自社・受託開発会社に転職を早めに検討しましょう。
運良く市場から求められているスキルが身についたら、自社もしくは受託開発している企業へ転職しましょう。
タイミングを逃すとズルズルと行ってしまい抜け出せなくなります。
客先常駐は転職前提なので早く抜け出せるのなら早いに越したことないです。
また、スキルが未熟なうちでも自分が次に転職してみたい企業はピックアップして、どのようなスキルを持ったエンジニアを欲しているかチェックしておきましょう。
自社・受託開発会社だと年齢を重ねていった先に管理職の道がある
客先常駐だと40,50歳と年齢を重ねていった場合に出向先がなくなってきます。理由は先に述べたとおりです。
スペシャルな技術やマネジメント力やコネなどない限り厳しいです。
また、そのような人たちは生粋の客先常駐の生え抜き、というより自社・受託開発の会社で経験を積んでいた人達が多いでしょう。
自社・受託開発企業では一般の他の業界の会社と同様に管理職があり、主にマネージメントを業務として行います。
もし、あなたがまだ若いのであれば早めにそちらへ転職して管理職を目指して行ったほうが良いです。
スペシャリストは茨の道?
会社によっては技術のスペシャリスト枠も設けている企業もありますので、そちらに素養がある人は探してみると良いです。
しかし、技術だけでやっていくのは並大抵のことではないと感じます。
抜きん出たセンスと能力が必要です。
年齢を重ねていくと家族を持ってくる人もいるでしょう。
体が老いていく中でも技術力を時代に合わせてキャッチアップして身につける必要があります。
ITエンジニアに向いてないなと感じた場合は…
このパターンも十分にあると思います。
その場合はITが好きでやっていきたいのであれば、業界軸はそのままで営業やマーケティング職などを検討してみるとよいでしょう。
客先常駐する前には選択肢に入っていなかったかもしれませんが、経験を経て世の中の見え方や考え方が変わっている場合も十分あります。
マーケティングは自分でもブログを解説してどういうコンテンツが求められているのか?どうすれば検索で上位表示されるのか?などプライベートの時間を使用して好きか、向いているか実験できます。
ITそのものに向いていないと感じた場合は、急にやめるのではなく次にどの業界のどの職種に付きたいのかリサーチして、実際に動いていきましょう。
何がしたいのかそもそも分からない場合は自己分析からやってみるとよいです。近しい友人や家族にも話してみましょう。何かきっと突破口が見えてくるはずです。
この様な場合は1人で内省することも大事なのですが、人と沢山会って話すことも大事です。人生の転機となるキッカケは人が運んでくることが多いものです。
結論:可能な限り来ないほうが良い。もしくは脱出出来るなら脱出したほうが良い。
ここまで読んでみてヤバい理由も分かっていただけたかと思います。
もしまだ客先常駐への道へ足を踏み出していない人で、他にも行ける道があり未来が明るそうであればそちらをオススメします。
もし、客先常駐していて数年経過しているのであれば他の道へ早く移ることをオススメします。